彼女は如何にして領主たり得たのか– category –
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――死ぬんじゃないか、とお思いですか?
ひょっとして、あれがそうなのでしょうか。 噂には聞いていたのです。 トトノ商会には『ハレム』がある、と。 【【さらし台(トトノ商会仕様)】】 恐怖が半分、怖いもの見たさが半分でした。 わたしが力を込めると、鉄の扉はわずかに軋みながら、ゆっくり... -
――いらっしゃいませ。今日は何をお探しでしょう?
噂に聞いていた通り、そこはゆうに百名は超える奴隷がいました。 奴隷は例外なく妙齢の娘たちです。 奴隷たちの顔色も、纏う雰囲気も様々です。 誇りを失わずに、胸を張ってしゃんとしているものもいれば、首を垂れ、肩をすぼませて地面を見つめている者も... -
――泣けるうちは、大丈夫ですから。コウノトリに捕まった女の子に、トトノさんは言い放ちました。
近いうちに、教会からたくさん魔女が拘引されてくるそうです。 普段は見た目を重視するご主人様ですが、実用的に自白を引き出す必要があるだとかで、器具を注文されたのだとか。 器具ができたとのことで、今日もトトノ商会さんへおつかいです。 ――嵌めて、... -
――痛い、ですか? 三角木馬にまたがる少女に、わたしはそう語りかけました。
ご主人様から使えと言われた道具、三角木馬。 此処よりやや南の街ですと、ロバと言われたりもするそうです。 想像するだけで、痛みがわかろうかという道具です。 木目に染みた黒いシミの正体が、いったい何であったかと思うと……。 わたしの内心を知ってか...
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